かんたん操作で
ニュースをチェック!
ダウンロード

ニュースパス

ASCII.jp

アップル「iPhone SE」売れすぎで弊害も

山口健太 編集● ASCII
8/26(水) 15:07

 ワイモバイルとUQモバイルが第2世代「iPhone SE」を8月27日に発売します。国内外で販売数を伸ばしている高コスパ機種がサブブランドから登場することでますます勢いがつく一方、「売れすぎ」による弊害も出てきそうです。

ワイモバイルとUQモバイルが第2世代iPhone SEを発売へ

■偶然にもニューノーマル時代を先取りしたiPhone SE

 第2世代のiPhone SEは、4月から5月にかけてSIMフリーや大手キャリアから発売された後、BCNなどスマホの売上ランキングで首位を独走しています。

 外観はiPhone 8と同じで、4.7型の画面はいまどきのスマホとしては小さく感じるものの、ハイエンドモデルと同じプロセッサーの「A13 Bionic」を搭載するという掟破りの手法により、高コスパを実現しています。

強力な「A13 Bionic」を搭載。比較的小型で軽いのも使いやすい

 手頃な価格や指紋認証という点も、いまの時代に合っています。外出する機会が減ったことで、以前よりもスマホの重要性は下がっています。筆者の周囲でも、給付金などで家電やPC、ディスプレーを買ったという話はよく聞くものの、ハイエンドスマホはあまり人気がないようです。

 指紋認証はマスクを装着していても使えるため、いまとなっては顔認証よりも確実に機能する場面が増えています。次世代のiPhoneなど、今後登場する新機種においても指紋認証の復活はあるか、注目されています。

 このようにiPhone SEは現在のコロナ禍を想定して設計されたわけではないものの、偶然にも「アフターコロナ」や「ニューノーマル」の時代を先取りした仕様といえます。

■iPhone 8を飛ばしてiPhone SEが登場

 iPhone SEの勢いを確実に後押しすることになりそうなのが、ワイモバイルとUQモバイルによる取り扱いです。コスパの良さという点で、iPhone SEがこれらのサブブランドと相性が良いことは明らかでしょう。

ワイモバイルは8月21日午前中にiPhone SEの取り扱いを発表
8月21日の午後にはUQモバイルもiPhone SEを発表した

 興味深いのは、iPhone SEを採用したタイミングです。これまでワイモバイルとUQモバイルは、大手キャリアから遅れて型落ちのiPhoneを取り扱ってきました。

 いま売られているiPhone 7の場合、ワイモバイルの取り扱いが始まったのは2018年12月で、ソフトバンク版から2年以上遅れています。

 それに続くモデルは、本来であれば「iPhone 8」となるところが、一足飛びにiPhone SEを採用。しかも大手キャリアと比べた発売の遅れは4ヵ月弱に縮まっています。

 しばらくはiPhone 7の販売も続くとみられることから、長く使える最新モデルが欲しいならiPhone SE、価格重視の人はiPhone 7と、ニーズに応じて選べる点もサブブランドのお得さを強調することになりそうです。

■楽天には苦しい展開、各社の5G移行に影響も

 iPhoneをめぐって苦しい展開が予想されるのが楽天です。ソフトバンクが別ブランドとして展開するワイモバイルに続き、KDDIはUQモバイル事業を10月1日に統合し、価格帯で競合する楽天とぶつかることになります。

 楽天モバイルの自社回線サービスは、iPhoneに正式に対応できていないという弱点があります。それに加えて、超人気機種のiPhone SEを楽天モバイルだけが取り扱えないという、iPhone包囲網が完成しつつあります。

 一方、5Gへの移行を加速したい大手キャリアにとっても、4G対応のiPhone SEが「売れすぎる」のは悩ましい問題です。サブブランドが異例の早さでiPhone SEを発売するに至った背景には、5Gに注力したい大手キャリアの思惑があるように感じます。

 2020年後半には、ミッドレンジの5Gスマホが続々と登場する見込みです。ただ、最近のiPhone SEの勢いを見ていると、5Gが本格的に普及するには「iPhone SEの5G対応」を待つ必要があるのではないか、とも思えてきます。

外部サイト

ニュースパスアイコン ニュースパスアイコン

フリーワード設定で最新ニュースを素早くチェック! 気になる話題に誰よりも詳しくなれる! 注目キーワードで「知りたい今」をキャッチ!
フォロー機能
フリーワード設定で
最新ニュースを素早くチェック!
検索機能
気になる話題に
誰よりも詳しくなれる!
急上昇ワード
注目キーワードで
「知りたい今」をキャッチ!