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デイリー新潮

「ポスト習近平」に浮上した意外な男の素性 「“下っ端”役人から驚異的な出世を」

新潮社
6/26(金) 05:41

習近平の身辺警護

 6月5日、新華社通信は、中国共産党中央党校の卒業式に、校長として蔡奇氏(70)が出席したと報じた。チャイナセブンと呼ばれる最高指導部・党政治局常務委員の一人である。

習近平国家主席

【写真を見る】“人相が悪い”と言われる「ポスト習近平」

「中央党校は、共産党幹部として出世するためには一度は入学しなくてはいけない学校です。歴代校長には華国鋒や胡錦濤、現総書記の習近平が就いており、重要なポジションであることが分かる。校長職にあれば優秀な将来の部下を早く見つけることができるし、彼らの出世に関与することもできる。このニュースは、蔡奇が重要な地位を手に入れたという人事発表でもあります」(全国紙の北京特派員)

 だが、チャイナセブンとはいえ蔡氏はナンバー5。序列がそのまま地位を表す常務委員会にあって、対外的に目立つ存在ではない。ナンバー2で国務院総理の李強氏の方がスポットライトを浴びることが多いのも事実だ。だが、英エコノミスト誌(4月30日)によれば、実は蔡氏が、李氏を飛び越えて、習氏に次ぐ地位にいるのだという。

〈蔡奇は中国で2番目に権力のある人物かもしれない〉

 そう題された記事によると、注目すべきは蔡氏が中央弁公庁主任でもあることだ。これは、習氏の筆頭補佐官であることを意味しており、常務委員との兼任は共産党の歴史においても異例であるという。また、習氏の身辺警護を任されているし、党中央書記処常務書記という立場上、党の機密書類を全て見ることもできる。職務範囲は極めて広く、軍にもアクセスが可能だ。

 同誌は「習近平氏が後継者計画もないまま亡くなった場合、誰が最高指導者の地位を引き継ぐのかと聞かれたら、蔡奇氏が最も有力な候補だと思う」という識者のコメントも紹介している。どんな来歴の人物なのだろうか。

“酷史”

 元産経新聞中国総局記者でジャーナリストの福島香織氏が解説する。

「福建省出身で“下っ端”役人だった蔡奇は、習の部下になったことで驚異的な出世を遂げた人です。行政経験が浅いのに、いきなり北京市長になった。写真を見ると、チャイナセブンの中でもとりわけ人相が悪いのですが、実際に彼を“酷吏”と嫌っている人は少なくありません。北京市の大気汚染が問題になると強引に工場の操業を止めさせ、新型コロナが流行すると強権的なロックダウンで経済を止めた。習総書記に気に入られるためだといわれています」

 一方、習氏は来年の党大会での4期目就任をチラつかせている。長年面倒を見てきた蔡氏なら、権力を預けても敵にならないとみているのだろうか。

「週刊新潮」2026年6月25日号 掲載

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