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「嵐の最後の日くらい、気持ちよく見たかった」
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5月31日、日曜日の夕方から生配信もされた人気アイドルグループ「嵐」のラストライブをめぐり、SNS上で夫婦間のトラブルを訴える投稿が相次いでいます。
こうしたトラブルから、「嵐離婚」に発展するのではと指摘する声もありました。ラストライブの裏側で、ファンの女性たちに何が起きたのでしょうか。
ある女性は、数カ月前から「テレビで見るからね」と夫に伝えていたにもかかわらず、ライブ当日に「イヤホンして」「音を流さないで」と不機嫌な態度を取られたと投稿。子どもを風呂に入れている間にテレビの電源を切られ、最終的には視聴が中断されたといいます。
女性は「嵐のラストコンサートなんて趣味なんてレベルじゃないじゃん。人生そのものじゃん」と夫への憤りをつづっていました。
ほかにも、別の女性は、夫がサッカー観戦を優先したためライブをリアルタイムで見られなかったと打ち明けます。その後は終始険悪な雰囲気だったそうです。
また、事前にライブ視聴の了承を得ていたにもかかわらず、夫が直前になって外出しようとしたり、家事や食事の準備をめぐって不満をぶつけたりしたことで、「最低の気分で嵐を見ているのが情けなかった」と嘆く投稿もありました。
さらに、嵐をジュニア時代から20年以上応援してきたという女性は、ライブ配信中に夫がスマホで大きな音を流したり、嵐を馬鹿にする発言を繰り返したりしたと説明。抗議すると、「調子に乗るな」「消したろか」などと怒鳴られ、子どもたちの前で蹴られるなどの暴力までふるわれたといいます。
SNS上では「うちも同じだった」「楽しみにしていたことをわざと邪魔されるのがつらい」「嵐離婚したくなる気持ちが分かる」といった共感の声も広がっています。
長年応援してきたファンにとって、嵐のラストライブは単なる娯楽ではなく、人生の節目ともいえる特別な出来事でした。
配偶者がそうした大切な時間を妨害したり、意図的に不機嫌な態度を取ったりする行為は、法的に「モラルハラスメント」と評価される可能性があるのでしょうか。また、こうした行為の積み重ねは離婚原因になり得るのでしょうか。寺林智栄弁護士に聞きました。
──嵐ファンの女性たちが受けたこうした行為は、法的にモラルハラスメント(モラハラ)になりますか。
モラハラとは、言葉や態度によって他人の人格や尊厳を傷つけ、精神的な苦痛を与える「精神的な暴力・嫌がらせ」のことです。
また、いわゆる「推し活」は「推し」を自分の人生や生活の一部として大切に思う気持ちが根底にあると言えます。
そのため、事前に了承していたにもかかわらず、配偶者が楽しみにしていたライブについて不機嫌な行為をして嫌な気持ちにさせたり、ライブ配信の視聴を妨害することは、言葉や態度によって配偶者の尊厳を傷つけて精神的な苦痛を与えるものということができ、まさにモラハラと評価できます。
──こうした行為が繰り返される場合、離婚調停や離婚訴訟ではどのように評価されるのでしょうか。
モラハラは、いわば「精神的な暴力」でありDVのひとつと言うことができます。そのため、裁判の離婚事由を定めた民法770条の中の「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する可能性があります。
こうした行為は、1回だけであれば「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するとまでは言えないかもしれませんが、繰り返し行えば、精神的な暴力を反復して与え続けていると評価できるといえるでしょう。
そのため、今回のようなケースでは、離婚原因になるだけではなく、慰謝料請求の対象になる可能性も高いと考えられます。
自分にも大切にしているものがあると同じで、配偶者にも大切にしているものがあります。そのような楽しみを妨害したり、馬鹿にしたりすることは夫婦生活を破綻させる問題になります。それを多くの人が認識する必要があるでしょう。
【取材協力弁護士】
寺林 智栄(てらばやし・ともえ)弁護士
2007年弁護士登録。札幌弁護士会所属。法テラス愛知法律事務所、法テラス東京法律事務所、琥珀法律事務所(東京都渋谷区恵比寿)、ともえ法律事務所(東京都中央区日本橋箱崎町)、弁護士法人北千住パブリック法律事務所(東京都足立区千住)、NTS総合弁護士法人札幌事務所を経て、2025年12月からてらばやし法律事務所。離婚事件、相続事件などを得意としています。
事務所名:てらばやし法律事務所
事務所URL:https://www.attorneyterabayashi.com/
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