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読売新聞

ミャンマーが見せかけの民政移管で正統性アピール、国際社会復帰狙う...親軍政権発足から10日で3か月

7/5(日) 22:08

 【バンコク=佐藤友紀】ミャンマーで親軍政権が発足してから10日で3か月となる。「民政移管」を主張し、国際社会への復帰を狙うが、2021年にクーデターを起こした前国軍最高司令官のミン・アウン・フライン氏が大統領に就任するなど、軍主導の体制に変化はない。欧米諸国は距離をとり続けており、内戦は収束していない。経済再建も見通せないなど、課題が山積している。

 ミン・アウン・フライン氏は3日、ラオスの首都ビエンチャンを訪問し、トンルン・シースリット国家主席と会談した。親軍政権発足後、ミン・アウン・フライン氏が東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国を訪れるのは初めて。

 インドや中国を相次いで訪問しており、ラオスは3か国目。ASEAN外相らもミャンマーを個別訪問しており、7月中旬にはタイでミャンマー外相を含めた非公式会議を開く予定だ。

【地図】ミャンマー

 クーデターで民主派政権を倒したミン・アウン・フライン氏は、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏を拘束するなど、民主派を弾圧したことで欧米から制裁を科され、国際的に孤立。国内では戦闘が全土に広がり、選挙実施まで約5年を要した。選挙は民主派を排除した形で行われ、国軍系が議会の8割以上の議席を占めた。

 ミン・アウン・フライン氏としては、見せかけの民政移管で統治の正統性をアピールし、各国との関係を改善して投資を呼び込み、経済の回復を図る考えだ。中国とロシアが利権確保を狙いミャンマーを支援し、周辺国もミャンマーとの関係改善を探っている。

 一方、欧米諸国は距離をとり続けている。国際社会が求めているスー・チー氏の解放は実現せず、イラン情勢などでミャンマーへの関心が薄れていることも背景にある。ASEAN外交筋は「欧米は、ASEANや日本の対応を見てから親軍政権との付き合い方を判断しようとしている」と話す。日本は「スー・チー氏が解放されたりASEANが対応を変えたりしない限り、日本が現在の立場を変える可能性は低い」(日本政府関係者)との構えだ。

 民主派や少数民族武装勢力との内戦も続いている。中露の支援を受ける国軍は攻撃を強めている。

 「勝つのは難しい」。民主派兵士の男性(29)は苦渋の表情を浮かべる。国軍はドローン攻撃と空爆を多用しており、ドローンは1年前と比べ3~5倍になったという。兵士は「予算がない我々とでは戦闘力に差がありすぎる」と嘆く。戦闘で左足を失った別の兵士(32)は「けがや資金不足で第一線から退く兵士が増えている」と話す。

 英国際戦略研究所は「戦場で国軍の立場は着実に強化され、抵抗勢力は疲弊している」と分析。ただ、泥沼状態が続いており、短期的な解決は見通せない。

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