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W杯サッカー日本敗退によるショックが尾を引く中、7月1日夜、X(旧ツイッター)にひとつの投稿が流れた。
「どうせサッカー界は誰も言わないだろうけどマジで老害だよ。 誰か周りにいる人が言ってやれよそろそろ。 どいつもこいつも立場が上がって偉くなりすぎると頭がおかしくなるんか。 現場の人間が痛いほど分かってんだから部外者は黙ってなさい。」
老害と名指しされたのは、歯に衣を着せぬサッカー評論で知られるセルジオ越後氏(80)。投稿の主は、湘南ベルマーレから期限付き移籍で、ベルギーのKベールスホットVAに所属する現役GK、ポープ・ウィリアム(31)だ。
ポープが自身のXで引用リポストしたのは、セルジオ氏の6月30日の投稿で、そこには、「『よくやった』『惜しかった』で片づけたら、また4年後も同じだよ。」と、おなじみの辛口エールが書かれていた。、
このポープの直情的な投稿に対し、X上では「個人を攻撃してる分お前の方がヤバい」「この言い方はポープの品格を下げる」「セルジオ越後知らないのか?恥ずかしいぞ」とサッカーファンからのツッコミが殺到。ポープはまたたく間にフルボッコ状態となった。

テレ朝YouTube配信では、鋭いファクトでn分析していたセルジオ越後氏
ポープが「部外者は黙ってなさい」と切り捨てたセルジオ氏の発言。そもそも、あれはどこで語られたものだったのか。
テレビ朝日スポーツ公式YouTubeチャンネルが試合直後の6月30日に緊急配信した『【ブラジル戦後緊急配信】セルジオ越後の辛口一本勝負!《歴史変えられなかった|4年後への提言》アフタートーク FIFAワールドカップ2026』で、詳しい提言を話していた。7月2日午後5時までに視聴回数26万回以上と注目を集めている。
ここでセルジオ氏が展開した論評は、部外者の戯言などではなかった。
まず試合展開について、前半に日本が先制した場面を「ハーフラインあたりでのブラジルのミスパスから始まった。佐野君がパスをせずドリブルしたから相手の守りが戻りきれずシュートまで行けた。ただ、それだけ」と冷静に分析。守ってカウンターという戦術は4年前のW杯から何も変わっておらず、成長していないと断言した。
後半、ブラジルの猛攻に晒された日本のベンチについては「混乱し、冷静さを失っていた」と指摘。GKの鈴木が大活躍したことについても、「キーパーが活躍するというのは相手が強い証拠。強いチームのキーパーにはシュートがあまり来ない」と、残酷なまでの実力差を突いている。
日本サッカー界の根底を揺るがす「登録制度」と「プア精神」への提言
話は単なる一試合の戦術論に留まらない。4年後に向けた、日本のスポーツ環境そのものへの根本的な提言へと進んでいく。ここからが真骨頂だ。
セルジオ氏は、日本の歪な登録制度にメスを入れた。「1年拘束するのをやめてほしい。学校で試合に出られない子がクラブで出られるようにすれば、補欠という言葉が少なくなり、みんなが揉まれてレベルが上がる。学校は勉強するところで、スポーツ選手を育てるところじゃない」。
ワールドカップで優勝するような強豪国には、学校単位のスポーツなんて存在しない。みんなクラブチームのユースで育つからだ。空間の共有が生むハングリー精神の勘違いも指摘する。向こうにあるのはハングリーではなく「プア(貧困)精神」だ、と。 同級生同士という横並びで育つ日本に対し、ブラジルでは子供が大人や上の世代と日常的に混ざってサッカーをし、揉まれてたくましくなる。この環境の差、文化の差が変わらない限り、結果は出ない。そう警告したのだ。
過去には乾貴士氏も反発…「部外者」レッテル貼りが露呈した残酷な無知
確かに、セルジオ氏の辛口はこれまでも現役選手の反発を生んできた事実がある。2019年には、海外で出場機会のない選手への苦言に対し、当時スペインにいた乾貴士氏が「全部を否定しないでほしい」とSNSで真っ向から反論し、岡崎慎司氏も同調した。乾氏はバラエティー番組でセルジオ越後氏を「めっちゃ嫌い」と言い放ったこともある。現場で身体を張る者たちには、強烈なプライドがある。
だが、乾氏たちが「意見の内容」に反論したのに対し、ポープは「老害」「部外者」というレッテル貼りで存在そのものを否定しようとした。
セルジオ越後という男は、1972年に来日し、Jリーグ発足の遥か以前から少年サッカー教室で延べ50万人以上を泥臭く指導してきた。2017年に旭日双光章を受章、2023年には日本サッカー殿堂入りした開拓者である。あのロナウジーニョが得意としたフェイント「エラシコ」の考案者でもある。そんなレジェンドを「部外者」と呼ぶのは、あまりに自国のサッカーの歴史に無自覚すぎる。
ポープ自身、2024年のACL準決勝・蔚山HDFC戦で見せたように、自らのスーパーセーブでチームを現行フォーマット初の決勝進出に導く確かな実力を持った選手だ。だからこそ、リスペクトを欠いた今回の発言はもったいない。プロであるならば、外野の言葉を黙らせるのはSNSの書き込みではなく、ピッチ上の圧倒的なパフォーマンスであるべきだろう。
(zakⅡ編集部 圭拓海)