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老舗旅館が「孤独のグルメ」無断キャンセルを暴露でテレ東謝罪

9/23(火) 09:38

五郎さんもびっくり

五郎さんもびっくりだ。老舗旅館「下呂温泉 小川屋」(岐阜県下呂市)が人気グルメ番組「孤独のグルメ」の撮影対応に関する不満をX(旧ツイッター)で投稿し、その後、テレビ東京と制作会社から謝罪を受けたことを報告した。小川屋の投稿は多くのユーザーの共感を呼び、テレビ業界のロケ対応について議論を巻き起こしている。

「下呂温泉 小川屋」が撮影トラブルをSNSで告発

小川屋は21日、「孤独のグルメ Season10」の下呂市が舞台となった回についてXの公式アカウントで言及。「この回実は当館も出演予定だった」として、温泉入浴シーンの撮影依頼を受け準備していたにもかかわらず、連絡なく撮影がキャンセルされた経緯を明かした。

小川屋が問題視した回は、Season10(2022年放送)の第6話「岐阜県下呂市のとんちゃんとけいちゃん」。

下呂市を訪れた井之頭五郎(松重豊)は、中学校校長の同級生・佐野(松下由樹)から依頼された講義を終え、25年ぶりの再会を喜ぶ。講義後、空腹を覚えた五郎は食事処を探すが、電車の便が悪く下呂温泉へ行けず、近くで店を探すことにする。国道沿いに「大衆食堂」を発見し、喜んで入店する。店内では名物メニューが並び、常連客の様子を観察しながら、お店自慢の肉料理を選ぶことになる。五郎は岐阜で出会った唯一無二の名物料理を堪能し、日本食の懐かしさと美味しさを実感する—というストーリー。

「開いた口が塞がらず」突然のキャンセルの実態

小川屋のアカウントは、「『温泉入浴シーンを撮りたいので、そちらの大浴場お借りできませんか?』と制作会社より連絡があり、当日の日帰り入浴の営業時間を調整するなどして準備するも、約束の時間を過ぎても一向に来る気配無し。『あの~お待ちしてますが...。』と℡したところ、『あ!...ごめんなさ~い、入浴シーンの撮影無しになったんですよ。ご連絡してなくてすみません。もう下呂離れちゃったので。』とのご回答」と経緯を説明。

さらに「開いた口が塞がらず、啞然としたのを思い出した」と当時の心境を吐露。放送された回に入浴シーンが含まれていたことについては「他の施設での撮影に変更したということなんでしょうね。『入浴シーンの撮影が無くなった』というのは、咄嗟に出た嘘だったんだと思います」と指摘した。

この投稿に対し、「公式でネガティブなことポストするなとまでは思いませんが、固定してまで伝えたいことなんですか?」という質問には「思いの外反響が大きく、同じような想いをした方、制作サイドにいらっしゃった経験から実状を伝えてくださる方、様々な立場の方々のご意見が交わされていることは有意義だと思い、固定させていただいた次第です」と回答している。

女性自身の取材がきっかけか 局側が謝罪

その後、この件を報じた女性自身の取材がきっかけとなって、局側がようやく謝罪に動いたようだ。

小川屋は24日のXでテレビ東京と制作会社の株式会社共同テレビジョンから直接謝罪を受けたことを報告。「当時の制作関係者への聞取り、企画立案から撮影に至るまでの制作過程及び当日の香盤表の確認といった、調査と事実確認をしっかり行っていただいた上で、制作サイドの非を認めていただき、対応の不手際を詫びてくださいました」と経緯を説明した。

小川屋は「“SNSでお気持ち表明する“という、今回の当館の行動は不細工でスマートな手法ではなかったかもしれません」としつつも、「皆様の声が事を動かし、事態が収束に至ったことは事実であり、少なからず行動を起こした意義はあったのではないかと感じております」と総括。今回の一連の出来事を通じて「改めて我々宿泊業が世の中の皆様に支えられて成り立っていることを実感できました」と述べている。

この一連の投稿に対し、ネット上では「これは、営業妨害であって損害賠償請求出来るんじゃないですかね?」「テレビ局ってどこも同じ上から目線。何様なんでしょうね。こういうこともテレビ離れの原因のひとつだと思う」「未だにTV局はこんな傲慢な事をやっているのか…『ロケの予定が変わりました。ご迷惑をお掛けし申し訳ありません』との謝罪があってしかるべきですね」といった批判的な意見が相次いだ。

また「自分もこの番組では無いですがこの放送局の番組で勝手に撮影されてそれに気が付いてその場のスタッフに『勝手に流したらネットに書くよ?』と言ったら、そのシーンだけカットされてその場所を放送してました」と同様の経験を持つユーザーも。「賛否両論的に話す人が居ますが、善意で動いた人に対しての仕打ちなので暴露はありじゃないですか?」と小川屋の行動を支持する声も見られた。

国内外でロングヒット続ける「孤独のグルメ」

「孤独のグルメ」は、再放送や配信でも人気を呼び続け、映画化もされ、主演の松重は韓国でも大歓迎を受けるほどのロングヒットを続けている。

人気の秘密は、スタッフの「妥協のないロケハンと、制作陣のこだわり」だと聞いたことがある。それだけに今回の一件は、画竜点睛を欠くことに。こんなことになるなら、五郎さんも名湯でひと風呂浴びてから、店を訪れたかったことだろう。

なお、小川屋はこの件について「今後も皆様に支持される宿泊施設を目指し、日々尽力して参ります」と締めくくり、この一件について「これ以上本件について言及は致しません」との姿勢を示している。

(zakⅡ編集部 圭拓海)

■圭拓海(けい・たくみ) さまざまなリサーチやネットの海を泳いで情報をキャッチするのが得意。ネット記者歴3年。

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