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あまりにも長く独りでいると自己中心的傾向が強まり、それがさらに人を遠ざけ、より孤独に陥ってしまうという悪循環にハマるそうだ。
孤独と自己中心性が互いに強め合うことを発見したのは、米シカゴ大学の研究チームだ。
同チームは11年間に渡って50~68歳の229人から収集したデータから、孤独によって自己中心的な傾向が助長されることで、社会的な孤立がさらに深まることを明らかにした。
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2006年の研究結果では、”進化”は人間が特定の感情、思考、行動をとるよう脳を形作ったと指摘していた。孤独が自己中心性を助長するという今回の発見は、この説に一致するものだ。
人間がここまで強い種に進化できたのは、社会的な交流に適応した脳の変化とそれによる相互の助け合いに負うところが大きい。
しかし相互の助け合いがない状況においては自分の利益にのみ集中し、自己中心的に振る舞うようになる。
しかし現代社会のプレッシャーは、人類に孤独感が進化したときのそれとは大きく異なる。
現代社会において、孤独な人間は自己中心的になることで短期的には自らを守ることができるのだ。しかし長期的には、健康や幸福感を低下させるという有害な影響が現れてしまう。
相互に協力し合うことは片方が他人の犠牲になることではなく、力を合わせて1+1=2以上の成果をあげることだ。
しかし孤独になるとそうしたことを忘れ、他人を犠牲にしてでも自分の利益を得ようとしてしまうのだ。こうして状況がさらに悪化する。
イギリスでは成人の8人に1人が親しい友人はいないと答えている。また45パーセントが孤独を感じることがあり、よく感じるあるいは常にという人は18パーセントだ。愛されていると滅多に/まったく感じない人は17パーセントである。
一方、良好な友人関係があるという人は83パーセントで、18パーセントは親しい友人が2、3人いると回答している。
via:Loneliness is a vicious cycle: Being on your own increases self-centeredness which makes you MORE isolated/ translated hiroching / edited by parumo
人間は群れをなし、社会生活を営む生き物である。また、何かの犠牲に成り立って存続しているわけで、人は一人では生きていけないという意識を常に持っているが正常な状態なのだが、孤独が長いと、一人で生きているような気になってしまい、自己中心的になってしまうということだ。
だがどんなに他人を嫌っても、今飲んでいる水は、水道局にかかわっている人々の手によるものだし、今見ているスマホだって誰かが作り上げたものだ。
人と面と向かってかかわることを避けてもいいが、人によって、また自然界によって生かされているという現実は常に自覚しておいたほうが良いのかもしれない。
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