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【前後編の後編/前編からの続き】
天国にいる演歌の女王も怒り心頭に違いない。今般発売された故・八代亜紀さんのCDに、おまけとして、彼女の若かりし頃の「ごくごくプライベートな写真」が付けられていることが波紋を呼んでいる。発売元の「レコード会社」は彼女と契約したこともなく、さらに社長には、所属アイドルに自身の「体」をオジさん相手に売るよう、あっせんしていた過去も……。いかなる履歴の人物なのか。
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【写真を見る】「体をオジさん相手に」「成人向け動画に出演させられた子も」 アイドルに非道を働いた男の“素顔”
前編【八代亜紀さんの「写真付きCD」 発売した社長は「ガタガタうるさいのが揺さぶりをかけている」と開き直り】では、問題となっているレコード会社であるニューセンチュリーレコード(以下、ニューセンチュリー社)の早川寛社長の“開き直り”コメントと、八代亜紀さんの写真を入手した経緯について報じた。
手慣れた手法で八代さんの写真や音源を手に入れた早川氏とは、どんな人物なのか。
ニューセンチュリー社の法人登記をたどると、1991年に東京・目黒で設立された「青山音楽産業」という芸能事務所に行きあたる。同社は99年に「青山エンターテイメント」に社名を変更。翌年11月、所属タレントが早川氏を刑事告訴するという事件が起きる。
当時の報道によると、同社の4人組アイドルグループ「フォーラッシュ」の3人が、「体」を売ることをあっせんされたとして早川氏を訴えたのだ。この際に、被害届を出した元メンバーの一人が証言する。
「オーディション雑誌を見て応募したのが、早川の会社でした。契約すると最初にテイチクの豪華なスタジオに連れて行かれてレコーディングが始まるのです。曲も用意されていて“あとは売れるだけ!”と盛り上がる。しかし、実際は以前CDを発売できなかったグループの曲を使い回しているだけでした」
さらに思わぬ事態が彼女たちを襲う。
「レコーディング代、作詞作曲代、ヘアメイク代と100万円単位で経費の請求が来るのです。私たちはバイトをしながら懸命に返済していましたが、大半は早川の懐に入っていたはず。さすがに限界がきて辞めようとするのですが、契約書には“メンバー全員が解散を希望しなければ辞められない”とあり、早川はグループの中に必ず一人、自分の言いなりになる子を入れて反対させる。その場合、数百万円のお金を払わないと辞められない仕組みなのです。どうにもならなくなると、銀座のラウンジに連れて行かれ仲介人のオジさんを紹介される。そこで、体を売るように仕向けられるのです」(前出の元メンバー)
早川氏は毎日のように「芸能界で体を売るなんて当たり前」とうそぶき、事務所の壁には芸能界に入った女性が“枕営業”をするストーリーの成人漫画の切り抜きがこれ見よがしに貼ってあったという。
「早川に手なずけられた子は、実際に缶詰会社の社長の愛人をやらされていました。その子は成人向けの動画にも出演させられていた。また、他の子は旅行会社の社長から社員扱いで給料を払うから愛人になれと言われていました。もう我慢がならず警察に駆け込んだのです」(前出の元メンバー)
結局、早川氏の言う「当たり前」の行為そのものは未遂に終わったため告訴は和解となったが、メンバーが起こした民事裁判で約300万円の賠償判決が早川氏に下された。だが、ご当人は金がないと言い張って、100万円ほどしか払っていない。
「八代さんの騒動が起きて、早川がまだ芸能界にいることを知り、もう驚きと怒りしかありません」
と元メンバーは振り返るのだ。
早川氏は八代さんの死後、彼女の私邸が売却されたことを知り、八代ミュージック&ギャラリーの代表が彼女の財産を食いつぶそうとしていることが許せないと女性週刊誌に話している。それが、40年近くもたって写真を公開する理由だとも。だが、その履歴を知れば、どちらが八代さんを食い物にしているかは明白だろう。
前編【八代亜紀さんの「写真付きCD」 発売した社長は「ガタガタうるさいのが揺さぶりをかけている」と開き直り】では、問題となっているレコード会社の早川社長の“開き直り”コメントと、八代亜紀さんの写真を入手した経緯について報じている。
「週刊新潮」2025年5月1・8日号 掲載